俺は封筒の中から金を取り出し、それをじっと手にしたまま眺めた。
ふうっ、とため息を漏らす。
これで……いいんだよな?
ザーラのために、恵まれない国の子供達のために、と何度も自分に言い聞かせてきた。
柊にも何度も聞いてきた。
『辞めたかったら言ってくれ』
『今更、ちょっとやそっとの事にめげたりしねぇよ。
今まで散々、金に操られる奴らを見て来たんだ。
余計な事を考えるな。
俺を信頼してくれたお前への恩返しだって。
まあ、俺も……暇だし』
―――戸惑う気持ちと自問自答しながらも、
全てが気味が悪いくらいにうまくいっていた。
……あの日までは。


