「ちょっと、ゴメン」 女の子の人垣を軽く割って教室の中に入る。 ―――彼か…。 窓際の席で壁にもたれて携帯を弄っている見たことのない男子が目に入った。 ……なるほどな。騒がれるわけだ。 窓からの日射しが彼の茶色がかった髪を金色に染めている。 伏し目がちの瞳に張り付いた長い睫毛。 緩く着崩した制服が嫌味なくらいに似合っている。