その様子を廊下から眺めていた、小等部からの幼馴染みの恵太の姿を見つけて訊ねてみた。
「よう。恵太。
また同じクラスだな。
……一体何の騒ぎなんだ?」
不機嫌そうに振り返った恵太が俺の疑問に答えてくれた。
「おう、千尋。
何かさ、財閥のボンボンが特進に入ってきてさ。
めちゃくちゃイケメンらしいぞ」
「あの、噂の?」
「そう。外部入試でいきなり特進なんてあり得ないよな。
内校生の俺達もやっとなのにさ。
…もしかして金にモノ言わせたんじゃねぇの」
恵太が悔しまぎれからか、少し意地悪な言い方をしてニヤリと笑う。


