「誰かいるの?」 不意に声がした。 ミミが振り返ると、大きなクヌギの木から一人の男の子が顔をのぞかせていた。 「あっ……」 男の子はミミを見て声を上げた。 そしてミミの元へ駆け寄る。 「大丈夫?」 ミミの足に手をかけ、複雑に絡まった紐を手際よく解いていった。 それを見てミミはびっくりした。 『こんな簡単に解けるんだ……』 心の中でそう言って、ただ感動していた。 「ほら、これでもう大丈夫。痛くない?」 男の子はミミの頭を撫でた。 照れてしまい、ミミは顔をそらしてしまった。