「うっわ! びっくりした!!」 掴んだ途端に顔を上げたその人物の顔は確かに驚いていたけれど、それ以上に私は目を見開いた。 「え… どうしてここに…」 その人物は、ゆっくりと立ち上がる。 「桜こそ、なんでこんな夜中に家にいないんだよ。 俺、帰国してその足で桜の家に来たのにいないし。 ……あれ?なんで、上着着てないんだ?」 -------そこにいたのは、優しく笑う拓夢だった さっきは気が付かなかったけれど、黒のスーツケースが横に置いてある。