「…いえ。いいんです、もう。」 出会ってからそんなに日数は経っていないけど、涼子さんは信頼できる人だと知っているから。 涼子さんは誰かに言いふらしたりする人じゃない。 「…震えてたの、腕を掴まれたからだろ? きっと、あの事件を思い出しちまったんだ。」 タオルを目からはずしてヒロトを見ると、唇を噛み締めて俯いていた。 そんな、泣きそうな顔しないでよ。 あの事件は、ヒロトにとっても悲劇だった。 ヒロトとお兄ちゃんはすごく仲が良かった。 そんないとこの、突然の死-----