拓夢…っ! 涙が出そうになって、目を閉じたその時 「……おいっ!手を離せ!」 突然上から声が聞こえて、そちらを見ると、ヒロトが中村さんの腕を強く掴んでいた。 「桜が嫌がってるのがわからないのか!?」 「……… …やだなぁ。 ちょっとふざけてただけじゃないですか! じゃ、俺はこれで失礼します。」 中村さんはそう言うとあっさり私の腕を離し、そそくさと去って行った。