「え?」



「分かってんだよ、海斗と心がどうなってんのか。でも本人から聞くのかなりきつい。ださいけど。向こうでいた彼女に『忘れようとすればするほど忘れることなんかできない』って言われたんだよ。その通りすぎてむなしかった。」



忘れようとすればするほど忘れることなんかできない。
その気持ちは十分分かる。
俺も、諦めようとすればするほど好きになることがあったから。



「でもさ…やっぱり聞くべきなんだと思う。気持ちの切り替えかな、そろそろ。」



「颯太、あのな…俺、今心と付き合ってる。こないだ、やっと向き合えて心に好きって言った。」



「………そっかー……。おめでとう。」



『ごめん』は言いたくないし、言えない。
今、ごめんって言葉には意味ないから。
余計、傷つける言葉だから。