届けっ!あなたに贈る恋の歌




えー、いやー、あー……



腕を掴まれて、あたしの足は止まった。



「なんで逃げようとした?」



「そ、れは……」




“なんて言ってほしかった?”


って聞かれると思って、なんて言ったらどうなる!?あたし!


「それは?」


「っ……なんでもないです!」

「ほんとかよ」



真崎先輩の一言を最後に続く沈黙―――。



う……この空気、大分辛い…。


「あの、真崎先輩……」