君と星空の中で。



この人は…



「家、家っていうけど、ピアノのレッスンを継ぐなんて、1度もいったことないけど。最初から、あたしはお母さんの代で終わらせるつもりだって、知らなかったの?」



「なっ…!?あんた、そんなこと思ってたの!?」



お母さんの少しつった目が、大きく見開かれた。



思ってたもなにも…







「あたし、ピアノ嫌いだし」





パンっ



あたしの狭い部屋に小さな破裂音が響いた。



「…ふざけないで。音楽家の娘なら、二度とそんな口しないでちょうだい」




お母さんは、冷たく言うと上からあたしを見おろし、部屋からでていった。