鐘の音が鳴る。



真白な光の中にのびる真っ赤な絨毯。



厳かな空気のその中を、純白のウェディングドレスに身を包んだ素直が歩いてくる。



でももう既にベールの向こうの素直は泣いていた。



もちろん、いつか見たあの夢のような悲しみの涙じゃない。



幸せな暖かな涙で頬を濡らしていた。