家のテレビでその映像を観ていた俺は気を抜いたらうっかりポロッと涙がこぼれそうでヤバかった。
事故に遭ったことが嘘のようだ。
歩けなかったなんて本当か?って疑ってしまいそうなぐらい。
堂々と、真っ直ぐ目の前に延びるランウェイを歩いていた。
女王様そのものに。
孤高のクイーンだ。
「よく…がんばったな…」
テレビの中のあいつに向かって俺は呟いた。
長い道程だったな…。
ここまで、今日までよくがんばったよ。
さすが素直だ。
お前ならやれるって思ってた。
「…おめでとう、素直…。」
その独白もまた誰かに届くことなく虚しく空気に消えたーーー…。

