「素直…?
聞いてんのか?」
ノックしても返事はなく。
その態度にイラっとしたけど。
それだけ怒り心頭なのか…とも思ったのだが。
もしかしたら倒れてんのか!?
そんな不安が一瞬脳をかすめたから慌てて部屋に入った。
だけどそこには…何もなかった。
倒れてる素直の姿もなかったが、素直自身もいなくて。
そして何より…家具や荷物も。
何もかもがなかった。
『この部屋、好きに使ってくれ』ーーー…。
何もないこの部屋に初めてあいつを通した時のことが思い出されるぐらいに。
素直がここに越してくる前のガラーンとした部屋だけがあって。
わけがわからない。
どういうことなんだ…!?

