「結婚…したくないんじゃないの。
でも…このままじゃ中途半端で…。
心残りなの。
それにいつか後悔しそうで…怖いの。
イツキさんは優しいから…私が歩けようと立てまいと、そんなの関係なく受け入れてくれる人だってことわかってる。
今日まで散々待たして甘えてきときながらこんなこと言えた義理じゃないけど…自分が決めたことだから最後まで…頑張りたいの。諦めたくないの…」
遠慮がちに吐かれたその言葉は紛れもない素直の本心。
俺は…何となくわかってた。
素直の心にある迷いや不安が何となくわかっていた。
ドレスが出来上がってしばらくはそれはそれは誇らし気に俺に自慢しまくっていた。
『すごいでしょ!』
『私って結構、いい腕してるわよねっ!』
毎日毎日、飽きもせずに耳にタコができるほどの自画自賛っぷりだった。
暇さえありゃマネキンから外しては自分にあて、鏡の前でクルクルしてたのに。

