おばさんは別に彼が憎いわけではなかった。
そりゃ可愛い娘が受けた傷は深かっただろうし、話を聞いた直後は腹立たしくもあったが今となっては娘を心配して方々を探し、こうして実家にまできてくれる彼には感謝さえしていた。
しかし彼は何のために娘を探しているのだろうか。
やり直したくて娘を探しているのだろうか。
それとも身内の非礼を詫びたいだけなのだろうか。
おばさんはふとそう思った。
『彼との話はしたくない。
もう終わったことだから』
そう言ってその話をしない娘の真意はわからないが、彼への気持ちはまだあるだろう。
彼のおばあさんに『諦めてくれ』と言われてすんなり引き下がったのがいい例だ。

