俺は何も言わなかった。
何て言えばいいのかわからなかった…の方が正しいんだけど。
素直は『茶菓子がなくてごめんね』だの『やっぱコーヒーにはケーキだよね』だの、くっだらない話をしていた。
でも今はそのくだらなさがありがたい。
気まずさなんて微塵も感じさせない和やかなお茶会が繰り広げられているから。
みんながそれぞれにコーヒーをすすっていると。
フッ…と部屋を見渡したおばさんがおもむろに「一緒に住んでるの?」ときいてきた。
別に疾しいことをしてるわけじゃないし、何より事実なんだがなぜか照れてしまった俺はまたも黙秘を貫いた。
するとさすがというべきか、やっぱりというべきか。
素直は「うん!そうだよー?」なんて答えていて…。
だけど、おばさんは一瞬寂しそうな笑顔を浮かべ。
そしてズバッと「結婚…しないの?」と、明らかに俺を見て尋ねた。

