「綺麗にお化粧してもらって、可愛い服着て。
カメラの前で笑ったり色んなポーズとってさ。
まるで自分じゃないみたいで、何もかも忘れられた。
私は可哀相な子じゃない。親がどうとか関係ないって思えて、本当に楽しくてどんどんのめり込んでいって夢中だった。
その内、だんだんと仕事が増えていってもっともっと活躍の場が拡がって。
やっぱり褒められれば嬉しいし、認められればもっと…ってなる。
それに誰かに必要とされるなんて経験、今までしたことなかったから求められればそれに応えたくて必死だった。」
「………うん」
「でも………それがダメだったんだろうね…」
「………え?」
「光りが当たれば当然影ができるんだよ。
『がんばろうねっ!』って励まし合ってた仲間だと思ってた子たちはみんな離れていった。」

