「たまにね、食事中に泣き出す子とかもいてさ。
多分…思い入れのあるメニューだったりとか、何かを思い出して…とかなんだと思うんだけど。
みんなそれぞれ色んな事情があって、辛い思いとかいっぱいしててさ…。
他人からじゃわかんないような色んなもん抱えて背負って、それでも生きていかなくちゃならなくて。
だからね、みんな自分の話なんかしないの。もちろん私もそうなんだけど、話さないから上辺…ってゆぅかさ?
お互いわかっちゃうだよ。ボーダーラインみたいなやつが。『これ以上踏み込んだらダメだ』みたいなのを察知しちゃうの。
だからそれ以上先がなくて、仲良くはなれないの」
「………うん」
「学校でも隠してるし、施設でもそんなだし。
毎日が息苦しくて、もう…ずっと苦しかった」

