その言葉にいつも入ってくる鐘の鳴る出入口を見れば。
確かに、扉のガラス部分に『CAFE・OLIVE』って書いてある。
中から見てるから文字は反対向いてんだけど。
それでも、確かに。
デカデカと、ご丁寧にそう書いてあった−−。
「……知らなかったの?」
「…………。」
「じゃ、この店何だと思ってたの?」
「………カレー屋。」
「…………。」
「…………。」
「……なわけないじゃん。こんなに外観も内装も可愛いこのお店がカレー屋だと思えるあんたがすごいわ」
馬鹿にした風……ではないな、完璧呆れてますって感じに彼女は吐いた。
「や、でもこんだけ美味けりゃその道のプロだと思うって。カレーの店だって疑わねぇって!
お前もそう思うだろ!?」

