何か話題を…と考えながらカレーを食ってたら、先に食べ始めてた彼女の皿は後少しでなくなりそうだったから思いついたことをそのまま口にした。
「ここのカレーって美味いよな…−−?」
−−−−…やっぱり、物事は深く考えなきゃダメだとこの歳にして痛感した瞬間だった。
彼女はまたも手を止めて俺を見てくるから−−…嫌な汗が湧き出てくる。
カレーを食ってるから−−ってだけの理由では済まされない量だ。
「………そうだね」
でも優しさなのか本心なのか、彼女は目を逸らしてボソッと応えてくれて。
それの何が嬉しかったのか、更に調子に乗った俺は矢継ぎ早に話しだした。
「知ってたか?ここの店、カフェらしいぞ!」
「………表にそう書いてあんじゃん」
「…………え?」
「…………。」

