まだ湯気の立ついつもの美味いカレーを机に置くや否や…。
「ちょっと!ここで食べないでよっ!」
「何だよ、いいじゃねぇか。ケチケチすんなよ」
「何がケチケチよっ!席ならいっぱい空いてるでしょうっ!?」
ほらっ!と、店内を指差す彼女だが。
「まぁまぁ、お嬢さん。
あなたに会いたくて毎日ここに通ってたのよ?樹くん。
念願叶ってやっと会えたんだし、一緒に食べてあげてよ」
ね?…−−って微笑みながら仲裁に入ったおばちゃん。
……いや、そこはあえて黙ってて欲しかったかも、おばちゃん…。
「……え?」
なんてこぼして俺を穴があくほど見てくる彼女。
か、顔が暑い…。
きっと俺の顔は真っ赤だ。
バツが悪くて俺は『いただきますっ!』って叫ぶと急いで口にかき込んだ。

