「あの日、直前まで電話かけてきて同じこと言われたからついカッ!となってな…。
長年、社長の下でやってきたのに信用されてないみたいで。いつまでもガキ扱いされることに腹が立って。
……で、『着せ替え人形』なんて言ったんだ。でもそれは、お前のことを馬鹿にしたわけでも本心でもないんだ。
終始ご執心の社長に皮肉…っつぅか、まぁ茶化したかったんだよ。でも…まさか本人に聞かれてるとはな…」
「………。」
「まぁお前が聞いてようが聞いていまいが、言っていいセリフじゃなかったよ。
それは…悪かった。」
これが真相。別に知ったところでどうでもいいだろうけど…−−−っとつけ足してイスの背もたれに身を預けると、彼女は何か言おうと口を開きかけた。が…。
「はい、おまちどー!」
タイミング良く(悪く?)俺のカレーが運ばれてきた。

