「でもデカい仕事だし、それを俺に任してくれるってのは正直嬉しかったし。
だから引き受けたんだけど…うっさいんだよ、社長…」
「………?」
「当日までの毎日、ほぼ電話してきて同じことばっかり。
『彼女に粗相がないように』とか『間違っても機嫌を損ねるな』とか。毎日毎日…」
やれやれだ…と、ため息と共に吐き出すと。
俺は着ていたダウンジャケットを脱ぎだしたから彼女がそのきれいな眉をグッと寄せて不快感を顔に滲ませていたことに気づかなかった。
「お前、ショー以外の仕事を受けることはほぼないんだってな。公開されてる情報も少ないし。
そのスーパーモデルの初対談なら誰もが飛び付きたいだろうし、お前がVIP扱いになることはわかる。
だけど、だっ。
俺だってガキじゃねぇんだしそれぐらいわかるっつーのっ!」

