『絶品カレーと本格コーヒーの店、CAFE・OLIVE』−−。
マスターのポリシーとか夢とか。それから最後に美味いコーヒーの入れ方のコツとか載せたりして。
きっとカレーもコーヒーも嫌いな奴はそういないだろうし誰もが身近な話じゃなかろうか。
うん…無難な線でいいかもしれない。
そんなことを思いながら今日も小気味いい鐘を鳴らして扉を潜ると。
「あ、来た来た!樹くん、待ってたのよ!」
いつもの元気な『いらっしゃい』よりも先に俺が入ってくるなり俺に駆け寄り声を潜めるおばちゃん。
今は午後3時少し前。
ランチの客も帰って静かな店の中なのに、声を一層潜めるおばちゃんを怪訝に思いながらこちらに寄ってくるのを待った。
「どうしたの、おばちゃん?」

