「あら、今ごろ?
昔から喫茶店を開くのがうちの人の夢でね?『マスター』って呼ばれたかったらしいわ。
でもほら、最近じゃ喫茶店なんて言わないらしいじゃない?
それにここの近くには女子大もあるし、若い人たちには絶対カフェの方がいいって説得して始めたのよ」
ちょっと照れた風に、だけど嬉しそうにおばちゃんは話してくれて。
「………へぇ〜。
マスター…ねぇ…」
そんな曖昧な相槌をうっていたけど、『マスターって面か、頑固親父っ!』……って、思ってしまったことは胸の内にしまっておこう。
ハムエッグとサラダ、パンとコーヒー付きのモーニングAセット¥400円を頼んだ俺はコーヒーの美味さにこれまたびっくりした。
そりゃ喫茶店を開きたくて、マスターって呼ばれるのが夢だったんだからコーヒーが美味くて当然かもしれないけど。

