あの女なら言いそうだ。いや、間違いなく言っただろう。


上げといて落とす。

彼女のそれを一度経験してるからか、俺は妙にしっくりきた。


「ハハッ、最高だなっ!」


笑いながらそう言うと彼女たちも笑って頷いた。


「Naoさんのその度胸と言うか、意志の強さや揺るぎない自信が気にいって、そのデザイナーはNaoさんを永久指名にしたんです。

永久指名っていうのは、これから先、彼のショーには必ずNaoさんが出るっていうことなんですけどね。

気に入らなかったり、意にそぐわなければ二度と使わないっていう厳しい彼からの指名だなんて、本当に名誉なことなんですよ〜?

しかも彼の指名なんて、Naoさんだけですしねっ!」


アイちゃんは余程、Naoが好きなんだろう。

まるで自分のことのように、嬉しそうに話してくれる。