♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

「えっ?」

思わず、顔を上げるあたし。

瀬戸内からふったんじゃないの…?

唯香ちゃんは、また言葉を続ける。



「でも…やっぱり好きだった。
そんな簡単に忘れられるわけないよ。

貴斗は…初めての人だから」

初めての人って、どういうこと…?

今度は、言葉もでない。

その意味が理解できなくて、放心状態になってしまった。

静まりかえった浴場に、カポーンとオケを置く音が響く。



「ごめん…
暗くなっちゃったね」

申し訳なさそうに、悲しい笑顔を作る唯香ちゃん。

「いや…」

なんかフォローする言葉をかけなきゃ…

わかってるのに、簡単な慰めの言葉も思いつかない。



「…あたし、のぼせてきちゃった。
先にあがってるね」

自分の声のトーンがいつもと違う。

頭上のタオルに手を伸ばして、あたしはザブンと立ち上がった。