♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

一年A組

サッと教室の生徒を見回すあたし。

まだ瀬戸内は来てないらしい。

ふぅっとため息をついて、自分の席に鞄を置いた。



「美月ちゃんの席、ここなんだ」

『美月ちゃん』なんて可愛く呼ぶのは彼女くらいだ。

あたしは作り笑いを浮かべて、顔を上げる。

「…うん」

「美月ちゃんと同じクラスでよかった。
あたし、まだ萌ちゃんしか友達いないんだ…」

目を細めて、淋しそうにつぶやく唯香ちゃん。



「そっか…
まぁ、何でも聞いてよ。
あたしも高等部はよくわかんないけどさ」

「ありがとう、美月ちゃん」

やっぱり外部から入学するのは、不安なんだろう。

唯香ちゃんは、あたしにベッタリで離れようとしない。



「…あっ、おはよ!」

入口に笑顔を向ける唯香ちゃん。

彼女がこんな顔を見せるのは、一人しかいない。

あたしは、嫌な予感がしながら顔を上げた。