「…そんな顔すんなって」

今、複雑な表情を浮かべてるのは、あたしだけじゃない。

「よく、わかったよ」

何がよくわかったのか、自分でもわからない。

いろんな想いが、あたしの中でうずまく。

あたしは、放心状態で瀬戸内の隣に座っていた。



薄暗い空に、パッと光が差す。

並木にそって、青白いライトが次々にともっていく。

あたしは、その光に顔を上げた。