「これ…作ってみたんだけどさ」

紙袋の中から、クッキーを取り出すあたし。

透明な袋にリボンを結んだだけ…

そんなシンプルなクッキーを、健太に差し出す。



「みぃちゃん、作ったの?」

「うん、ちょっと焦げちゃったんだけどさ…」

お世辞にも美味しそうに見えないクッキーを、健太はヒョイと口に入れる。



「うん、おいしいよ」

「本当に…?」

気まずそうなあたしに、うなずく健太。



よかった…
健太、喜んでくれて。

あたしには、まだ昨日の痛みが残ってる。

健太は、そんなこと気にしてないみたいに優しく微笑んだ。