「…な、なに?」

いきなり手をつかまれて、固まるあたし。

健太は、まっすぐあたしに視線を向けた。



「俺たち、付き合わない?」

あたしの右手は、しっかり健太に握られている。

あたしは、すぐに言葉がでなかった。



「…な、なに言ってんの」

動揺して、視線を落とす。

健太はあたしの手を無理矢理動かして、スプーンを自分の口に入れた。



「うん、おいしい」

あたしの手を握ったまま、健太はニッコリ微笑む。



「…あとは、健太にあげるよ」

大きなパフェを、ドンと健太の目の前に置いた。

さっきまでの空元気が全部吹っ飛びそうだ。

あたしは手を引いて、大人しくうつむいた。