♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

「どうしてあんな噂広めたの?」

「…だって、あたし見たの。
美月ちゃんが、楠くんとキスしてるとこ」

「証拠は?」

「それは…ないよ」

「…そんな話、信じられるかよ」

「だけど…
あたし、本当に見たんだよ!
あの二人、何度もキスしてた」

「嘘つくんじゃねぇよ」

「嘘じゃない…
嘘なんかついてない!

どうして信じてくれないの?」

感情的になって叫ぶ唯香ちゃんを、瀬戸内は冷静に見下ろす。



「…あたしより、美月ちゃんを信じるの?」

「牧村は、そんなことしない」

落ち着いた声で、つぶやく瀬戸内。



「どうして…
どうして、貴斗?」

唯香ちゃんの目に、どんどん涙がたまっていく。



「あたし、嘘なんかついてない…
信じて、貴斗!」

「もう二度と、変な噂広めるんじゃねぇよ」

瀬戸内はそう言って、唯香ちゃんに背を向けた。