♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

トントンとボールが床にはねる音が聞こえる。

あたしはとび箱に押し倒された体勢のまま、視線を動かす。



「唯香ちゃん…」

体育倉庫のドアの前で立ちすくむ唯香ちゃん。

彼女の手から転がり落ちたボールの音が倉庫に響く。

唯香ちゃんは両手で口をおおって、目をそらした。



「…待って、唯香ちゃん!」

彼女は動揺した様子で走り去っていく。

起き上がって、唯香ちゃんを追いかけようとするあたし。

健太は、あたしの腕をグッとつかんだ。



「離して…健太!」

力では、絶対に叶わない。

強い口調で懇願するあたし。



「行かせない」

あたしの腕を握る力が強くなる。



「…俺は、みぃちゃんのことが好きだ」