♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

「健太」

すごく強い力で引き戻される。

あたしの背中は、大きなとび箱に押しつけられてしまった。



「忘れたなんて言わせない」

あたしを見下ろす真剣な瞳に息をのむ。

健太、あたしに怒ってるの?

強い感情が、肩を押さえつける力から伝わってくる。



「離してよ…」

健太、普通じゃない…

あたしは隙を与えないように、冷静に答える。



「…っ」

一瞬、何が起きたのかわからなかった。

健太の唇が、あたしの唇に重なる。



「…やめて、健太!」

健太の腕は、筋肉質で力強い。

腕の中で抵抗するあたしの唇を、何度も奪っていく。

もう幼稚園の頃とは違う。

どんなに抵抗しても無駄だ。

あたしは、ぐったりとび箱に倒れこんだ。

涙がたまった目で、健太を見上げる。



「みぃちゃん、ごめん」

さっきとは全然違う優しい声で、あたしを抱きしめる健太。

あたしは放心状態で、健太の腕の中にいた。