♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

「ごめんね、健太」

あたしの手から離れたボールが、力なくカゴの中に転がっていく。

あたしは無意識のうちに、カゴのふちを両手で強く握っていた。

あたし、怖いんだ。

幼稚園の頃の気持ちを、はっきり思い出すのが…



「あたしたち、もう子どもじゃないんだよ」

ゆっくり顔を上げて、健太に目で訴える。

健太を傷つけたいわけじゃない。

悲しい目をした健太に、微笑んでみせた。



「…あたし、戻るね」

気まずい空間から逃げ出そうと、うつむく健太の隣をすり抜ける。



「…みぃちゃん」

すっとすれ違おうとしたあたしの肩を、健太はグッとつかんだ。