♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

「…何それ?」

「貴斗、知らないの?
このキャラ、有名なんだよ」

「へー、そう」

「貴斗も一緒に買う?
貴斗は…こっちのほうがいいかな?」

あたしには、仲良く話す二人の後ろ姿しか見えない。

唯香ちゃんの手には、ストラップと同じキャラのぬいぐるみが二つ握られている。

リボンがついた可愛い猫と、侍みたいな格好をしたイカツイ猫。

あたしは、手に握ったストラップを下ろす。

もう唯香ちゃんと仲良くしている姿は見たくない。

あたしは二人に背を向けた。



「美月、何やってんの?」

「何って…
お土産見てんの」

まっすぐ歩いてきた愛菜にそっけなく答えて、ストラップを元の位置に戻す。



「そうじゃなくて…
なんで、ほっとくの?」

楽しそうに話している唯香ちゃんに視線を向ける愛菜。



「…あたし、関係ないし」

「あんたの彼氏でしょ?
関係なくないじゃん」

はっきりした口調でつめよる愛菜に、口をつぐむあたし。



「あんたがしっかりしなきゃ…
美月、行くよ!」

愛菜は、いきなりあたしの手をつかんだ。