♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

幼稚園児だって、チュウの意味ぐらいわかってるでしょ?

ただのイタズラ…?

それとも、何か深い理由があるの?



あの時、健太はあたしに何か言った。

あたしは、いったい何を言われたの…?

幼稚園のあたしと健太がキスをしている光景が、だんだんリアルに思い出される。

その時の感触がよみがえりそうで、あたしは思わず首を振った。



「…みぃちゃん!」

健太が、テンパッてるあたしの肩をグッとつかむ。

思わず顔を上げると、真剣な表情をしている健太とまっすぐ目が合ってしまった。

「…っ」

健太の唇が近い。

幼稚園の頃の、あの光景を思い出して、ビクッと小さくなるあたし。



「あっ…ごめん」

健太が、グッとつかんでいたあたしの肩を離す。

今の健太の力は、思ってたよりも強い。

自分の胸を押さえて、呼吸を整えるあたし。



「…あたし、覚えてないから」

低くつぶやいて、健太の体をドンと両手で突き放す。

あたしは、押入れのふすまをガタッと開けた。