澄ました顔でトテトテと。

塀伝いに歩く快。

時間は午前八時を少し過ぎたとこ。

といっても特に用事のある訳ではない快は、人間のように時間に追われる事なくゆったりと歩を進める。

「あ、快だ、おっはよー」

元気よく挨拶されて、ふと塀の下を見る。

バイオリンケースを片手にした、蒼い髪の女子生徒が見上げていた。

天神学園の生徒らしい。

いや、名前は知らんけど。

この子はよく僕に挨拶してくれるなぁ。

ついでに何か美味しいものでもくれると嬉しいんだけど。