ベソをかく女子生徒と別れ、快は校舎内を歩く。

しばらくは授業で誰もいない。

退屈だから屋上にでも出て、日向ぼっこしようかな。

そう思って屋上に上がってみると。

「お?」

咥え煙草の男子生徒が、友達の人間になれる黒猫とじゃれていた。

銀色のアクセサリーを身につけた男子生徒。

授業にも出ないで、ゴロンと横になっている。

知ってるよ。

こういうの『不良』っていうんだよね。

でも…。

マジマジと男子生徒の顔を見る快。

僕の聞いた不良と違って、彼は粗暴な感じも悪そうな感じもしないなぁ…。

そんな快に向かって。

「お前も来い」

男子生徒は微かに笑みを浮かべた。

「今日は日差しが気持ちいい。日向ぼっこにちょうどいいぜ」