そして…


「おい、飯だ。

とは言っても缶詰めだがな。」

幸大が敵の服装で言う。

「ああ。」

敵は何も知らずに缶詰めの入った袋を渡す。


「手を拭くようにウェットティッシュが入ってる。


あの方からの気づかいだ。」


幸大が言う。

「閖様からの…」

「じゃあな。」

「ああ。」



理科室

「渡して来ましたの?」

麗美が言う。

「ああ。」

幸大が言う。

「こっちも渡して来たわよ。」

瑠璃が言う。



少しして…


「ふむ…気絶しているな。」

渚が言う。

「こっちの教室もですわ。」

麗美が言う。

「こっちも生徒は全員秘密基地に入れた。」

幸大が言う。


「それにしても…ウェットティッシュにクロロホルムを染み込ませるなんて…

発想は面白いけど、よく上手く言ったわね。」

瑠璃が言う。


「幸運って奴だろ?


さて、残るは4階だな。」

「でも…気になるんだけど、何で高等部だけを狙ったのかしら?」

瑠璃が言う。

「おそらく閖は何らかの意図を持っていたのではないか?」

渚が言う。

「それに、何をしでかすかわからないガキや大人として区分される大学部よりも高等部が一番人質にしやすかったってだけだろ?」

幸大が言う。