『宮田…』



 宮田が壁に背中を預け、誰かを待っているようだった。



 「あ…」



 宮田はこちらに気づき、あたし達に向かって歩いてきた。



 「…あたし、用事思い出しちゃった!!」


 『へ…?』



 理彩の唐突な発言に思わずマヌケな声が出る。



 「ごめん、瑠歌。…ショッピングはまた今度ね!!」


 『は?えっ、ちょ…』



 理彩は「じゃあね」と言って走って帰ってしまった。




 「渡瀬さん」



 呆然としていたあたしに、宮田が声を掛けてきた。



 『…何?』


 「今、平気…?」



 様子を伺うように聞いてくる宮田にあたしは…



 『…大丈夫だけど?』



 と返す。