両思い……?


 誰と誰が…?


 あたしと宮田が…?



 『なわけないじゃんッ!?』



 勢いよく立ち上がってしまった。



 「渡瀬、静かにしろー」


 『は…はい』



 バスの中の全員の視線を集めてしまった。


 しかも、担任に注意されたし。



 「そんなに否定しなくても…」


 『…じゃぁ、そんな話しないでよ』


 「そう見えたんだもん」



 話し終えると、理彩は「寝る。」と言って寝てしまった。



 『…宮田の好きな人は、理彩なんだよ』



 あたしの呟きは高速道路の音によってかき消された…。