あまりにも楽しげな音楽。 この中で、泣いているのは俺と直だけ。 フォークダンスも終わりが近付いた頃、 校舎の影に直の姿はなかった。 振り向く俺に気付き、にっこり微笑む直は、 クラスの男子と手を繋ぎ、フォークダンスを踊る。 何事もなかったかのように… 直は笑っていた。 さっきまであんなに美しい色を見せていた空は、 もうすっかり暗くなっていた。 そのせいで、キャンプファイヤーの炎の色が 眩しかった。