「もしもし……?」

「あ、未良か。熱は?」

「8度9分、だった……」

「そうか……。ごめんな。今日、もしかしたら仕事が長引くかもしれない」

「そうなんだ……」

「ごめんな。看病してやれなくて」

「ううん……。お仕事、がんばってね……」

「ああ。……じゃあな。絶対、安静にしてろよ」

「うん……。ありがとう……」

その後、電話が切れた。


 ……相変わらず、心配性だなぁ。


お父さんは照明関係の仕事をしている。

注文を取るから、お客様次第のお仕事だから、こんなことはまれじゃない。