「ん……あ?」
意識がハッキリしない頭を押さえながら、俺はゆっくりと上体を起こした。
……夢?
うわ、最悪。どんだけ仁のこと気にしてんだよ。
机に突っ伏すように寝ていたせいで、右頬が痛い。きっと赤い痕が残っているはずだ。
それでも妙に目覚めが良くて、なんだかスッキリした感覚に陥っていた。
あいつ絡みの夢は大抵悪夢の類だったからだろう。こんなにも気持ちの良い夢は久方ぶりだ。
「狼谷ぁ。ニヤニヤしてんじゃねぇぞ」
やる気のない声色に、身体がビクッと反応した。
そうだ。今は授業中。しかも顧問の鈴木の授業じゃねぇか。
大抵の教師は俺の見た目にビビって見て見ぬふりを決め込むが、こいつは例外。
俺にビビる所か、面白半分で俺にちょっかいをかけてくるクソ教師なのだ。


