「恨むのはもうやめた」
ニシシッと、だらしない笑みを浮かべた。
「そりゃあ最初はお前のこと恨んでたけど、よくよく考えたら逆走した俺の方が悪いわけだし、自業自得じゃん? 恨んでたって腹は膨れねえし、ストレスはたまる一方で詰まんねえし、だからやめた」
仁は続ける。
「それに俺嬉しかった。ケンがまたスケートを始めたって知って、またケンの滑りが見れるって思ったらなんか興奮してさ! だから、その、えーと……」
なにやら口ごもり、腕を組みながら視線を左右に泳がず様はなんだか間抜けだ。
考えがまとまらないまま話し始めたからこうなったんだろう。仁の悪い癖だ。
口喧嘩で俺やヒロノに一度も勝てたことがない奴だった。俺の方に非がある時でも、言いくるめて謝らせたことがある。
口下手すぎだろ。俺も人のこと言えねえけど。
「……ごめん」
耐えきれずに言葉を発する。


