兄貴の軌跡を、ジャンプの壁を。 全てを飛び越えて、まだ見ぬ舞台へ旅発つんだ――― 歓喜に酔う暇もなく、次のジャンプのことを考える。 それでも身体は正直で、無意識の内に振り付けにはない動きをしてしまった。 天に掲げた右手の拳。 屋上から吊り下がっている幾つもの照明が、兄貴の形見に反射して俺の右手を輝かせていた。 【Fin.】