銀盤少年


雄大な旋律。大自然の生命力を感じさせる音色。


狼谷の動き一つ一つが音を纏って、指先からこのメロディーが流れて行くかのような錯覚に陥った。


感情が音に変わって魂に直接響いてくるというか。例えなんかじゃなくて、鳥肌が止まらない。


3Fのエッジは遠目から見てもガッツリアウト。ロングエッジ。


だけどそんなミスさえ気にならないくらい、狼谷が作り出した世界観に呑まれていた。


ここから一旦スローパート。


静けさと険しさが調和した独特のメロディー。スピンを披露するには格好の位置。


フォアからのキャメルスピン。タックザフットに移行して八回転。上体を起こしてクロスビハインド。


コンビネーションスピン。二つの難しいポジションと、同一姿勢で八回転、そして三つの基本姿勢でレベル4。


続いてアクセルシットからのキャノンボールスピン。速度を維持したままポジションチェンジ。パンケーキスピンへスムーズに移行。


スピン中でも音を決して逃さない。