繊細で濃厚なスローパートが幕を閉じ、仁のFPが終了した―――
満面の笑みとはいえないが、それなりの手ごたえを感じたのか、口元を緩ませながら会場に向けてお辞儀をしている。
転倒が一つ、回転不足もあるだろうが、綺麗に決まったジャンプには大きな加点が貰えるはず。
スピンも俺が見た感じではレベル4を全部獲得してもおかしくないし、ステップシークエンスもレベル3に加点が貰える出来だった。
ジャンプのミスは十分相殺出来る。表現力だって文句のつけようがない。
スケーティングもシニア顔負けで、ジャンプにかける助走が少ない分、繋ぎの要素に時間をかけている。
雰囲気の変え方や表現も良かった。葛藤しながらも前へ突き進む強さというか、そういった想いが感じ取れた。
仁の境遇を知っているから余計そう感じてしまうんだろうけど、贔屓目なしでも本当に素晴らしいプログラムだった。
だから、最後の三連続ジャンプが……。
「―――の得点」


