銀盤少年


少ない助走とジャンプのタメがない仁ならではのウルトラリカバリー。マジですげぇ……。


「……あっ」


やばっ。やっちまった。


草太も感づいたのか、あちゃーっと口元を手で押さえている。


気付いているのかいないのか、仁は残る要素を消化していく。


バックエントランスからのキャメルスピン。


ドーナツスピンに続けると軸足を換えてキャノンボールスピンに移行。軸足を掴んでA字スピン。そのまま八回転以上回り切る。


続けてバタフライキャメル。仰向けになってチェンジエッジを行い、足を換えてまたキャノンボール。今度はこっちで八回転。


最後はノーマルポジションのアップライトで、曲が徐々に静まりながらスピンの回転速度も落ちて行く。


足換えコンビネーションスピンと、フライング足換えコンビネーション。スピンの中ではもっとも基礎点が高い二つ。


最後の最後に2Aを持ってきて、胸元を押さえながら蹲る。